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リリック No.6 孤独

概要

リリック No.6 孤独

その他

恩地孝四郎  (1891-1955)

オンチ、コウシロウ

昭和24年/1949

併用技法・紙・1

82.0×48.0

左下に署名(刷)、書込み(刷)、年記(刷)

51
リリック No.6 孤独
Lyric No.6 Solitude
1949年
マルチブロック(木版、紙版、糸、その他)・紙
82.0×48.0cm
画面左下に印字にて署名、年記、書込み:onzi/lyrique No.11 1949
1950年 思地孝四郎新作版画展(東京、日本橋三越)(註)画面左下に Lyrique no.11 とあるのは作者の誤記と思われる。
思地は《「氷島」の著者(萩原朔太郎像)》ほかすぐれた具象表現の版画を作っているが、本領は抒情的抽象表現にあり、《孤独》は彼の抽象作品の中でも秀作のひとつに数えられる。この作品は「老年の孤独、底ぬけのわびしさ」を絵にしたものである。戦後の明るい高揚した時代の空気に逆行するように、50代も半ばを過ぎた作者を襲う孤独一孤独が雨雲のように頭上を覆い、「心の、体の霧雨があまりにつづきすぎる一かびが生えかけ……」と作者が1951年の詩にする暗欝な心情がデカルコマニーに似た手法による上部の茶色の色面、あるいは画面右の灰色の上のひっかき、糸屑、蛇行状の版の重ね刷りなどにより表現されている。恩地は「実材版画」と称して、木版のほか紐、針金、レースなどを版材にして版画の多様な表現を追求したが、その一例である《孤独》は技法上の工夫と表現内容が一致して、密度の高い造形表現を得ることに成功している。

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キーワード

版画 / 恩地 / 抽象 / 表現

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