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海正八幡神社の秋季例祭行事

かいしょうはちまんじんじゃのしゅうきれいさいぎょうじ

概要

海正八幡神社の秋季例祭行事

かいしょうはちまんじんじゃのしゅうきれいさいぎょうじ

無形民俗文化財 / 中国・四国 / 徳島県

徳島県

徳島県阿南市橘町大浦

徳島県指定
指定年月日:20160606

無形民俗文化財

 海正八幡神社は11世紀前半に現在の阿南市桑野に創建され,文永6(1269)年,現在地に再興されたと伝わる。宮司を務める織原家に伝わる古文書から,遅くとも江戸時代末期には祭礼が始まっていたことが確認できる。
秋の例大祭は,毎年10月1日から3日にかけて,神社本殿から北東約550mに位置する御旅所を拠点に,街道など橘の古い町並みで行われ,様々な神事・行事が繰り広げられる。例大祭を担う東・中・先・西の4つの組は,総代を中心に子どもと青年・壮年・古老が縦の関係で固く結ばれている。少子化が進む中でも,打ち子を担当する小学生,宿振り・獅子舞・だんじりの曳き手の高校生や青年,女だんじり・巫女舞の女子が祭礼に参加しており,幼い頃から関わっていくことで,地域住民の結びつきが深まり,祭礼が神事としての行事を中心に地域の紐帯として機能している。
例大祭は海に関する内容が豊富で,宿振りには豊年・大漁の文句が組み込まれ,神輿の巡行先には漁業組合や魚市場等が設定されている。だんじりの前方にせり出す「やんだし」は,うたせ船(底引き)が網を広げる棒からとられている神の依代の役割を持ち,たたら音頭にも海に関する音頭(船歌い)があり,最終日には御船歌が歌われる。深夜まで繰り広げられる勇壮なだんじりの鉢合わせ,だんじり巡行に加え,門付け,たたら音頭,船歌,宿振り,巫女舞,獅子舞,神輿の地域内御神幸など総合性を有して伝承されており,日本の典型的な祭りの一つとして貴重である。

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