龍造寺隆信像
りゅぞうじたかのぶぞう
概要
戦国時代、肥前を中心に西北部九州を領有した龍造寺隆信(1529~84)の肖像画。本紙の損傷が激しいが、どっぷりとした体躯と張りのある面貌は「大肥満の大将」(「北肥戦誌」)という姿と「小節に拘はらず、神気強盛」(「泰巌公御年譜」)と伝わる内面すらイメージさせる。
大正7年に鍋島家内庫所で編集された御道具帳によれば「法雲院様御真影 右ハ宗龍寺ヘ直茂公御寄附」とあり、隆信のもとで武功を重ねた有力家臣の鍋島直茂(1538~1618)が隆信の菩提を弔うために建立した宗龍寺(そうりゅうじ)に寄進したものとされている。宗龍寺にも同図様のものが伝来している。
本像を納める木箱の蓋裏には「安政元年歳次甲寅斉正公御表装 現住智産代」との墨書があることから、10代佐賀藩主鍋島直正(斉正/1814~71)が安政元年(1854)に表装し直したことがわかる。