藍絵西洋風景図刀掛 あいえせいようふうけいずかたなかけ

陶磁 / 江戸 

製作者不詳/京焼系
江戸時代/19世紀前期
陶器
幅38.5 奥行21.0 高39.5
1点


来歴:1992神戸市立博物館

参考文献:
・神戸市立博物館『神戸市立博物館所蔵 阿蘭陀絵伊万里とびいどろ・ぎやまん展―江戸のオランダ趣味―』(福山市立福山城博物館、1998)
・岡泰正「輸出漆器と輸入陶器~和製阿蘭陀をめぐって~」(京都文化博物館/京都新聞社編集・発行『異国の風―江戸時代京都が見たヨーロッパ―』、2000)
・愛知県陶磁資料館『阿蘭陀焼 憧れのプリントウェア―海を渡ったヨーロッパ陶磁』(2011)
・長久智子企画・編集『染付:青繪の世界』(愛知県陶磁美術館、2017)

19世紀、京都の陶工を中心に製作されたと考えられる阿蘭陀写し、今日では京阿蘭陀と呼ばれる作品群に属する刀掛。本作は今日確認されている京阿蘭陀の作例のなかでは、最も複雑な構造です。正面、背板部分の西洋風景図は、前景中央に配された二人の人物から、後景の建築物へと視線が誘導されるように奥行の表現に富む画面となっています。円錐形の屋根を持つ高い塔や石造風の建築物は、京阿蘭陀にみられる西洋風景図に散見されるものといえます。また銅版画にみられるような線描を連ねて陰影を表すハッチングも上手く処理されており、典拠となった図様の存在が示唆されます。正面背板の西洋風景図、正面下部の鏡板を除いて、器体を埋め尽くすように花卉文と蔓草文が施されています。起伏のある器体ですが、露体部分はなく、入念にデザインが描き込まれています。花卉文は蕾と満開のかたちで描き分けられ、細かく点描を打ったり、青の濃淡をつけたりすることで凹凸を表現しており、質感に富む描写となっています。無銘で製作地の特定はできませんが、刀掛という特殊な用途を目的とする本作の旧蔵者は、武士階級、あるいは帯刀が許されたある程度身分の高い人物が想定されます。尾張藩徳川家には京阿蘭陀の花生、及び台が、それぞれ天保3年(1822)、同13年の年記が記された収納箱とともに伝来しており、京阿蘭陀の需要層を考える上でも興味深い作例といえます。

【近世・近代の漆工・陶磁器・染織】

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