入澤達吉関係資料(日記類)
いりさわたつきちかんけいしりょう(にいきるい)
概要
東京帝国大学医学部の教授にして、大正天皇の侍医頭でもあった入澤達吉に関する資料群のうち、達吉の日記類である。入澤家は、越後国新発田藩領の上層農民の家であった。達吉は慶応元(1865)年、医者の父・恭平と母の間に生れた。早くに父を亡くし、叔父・池田謙斎に促されて上京し、東京帝国大学医科大学のE.ベルツの元で内科学を修める。ドイツ留学を経て、同医科大学に奉職し近代医学の普及に努めた。大正13(1924)年には侍医頭となり、医者としての名声も得る。医学以外にもドイツや中国との文化交流にも力を注ぎ、政府の外交政策に協力することもあった。昭和13(1938)年、病気のため死去する。欠落する年代もあるが、おおよそ達吉の生涯を網羅する自己記録であり、明治中期から昭和初期にかけての、政治や文化状況を窺い知ることのできる資料である。