大型器台/北井門遺跡出土
おおがたきだい
作品概要
大型器台は、西部瀬戸内の弥生時代後期から終末期において、在来の器台形土器の胴部を大きく伸長させ、口縁部や裾部を拡大・装飾して、儀礼用具へと変化を遂げた土器である。
発祥地と目される愛媛県松山平野から大分県や山口県などの西部瀬戸内沿岸地域を中心に分布する。
典型は、その盛行期である弥生時代後期後葉の器高が60㎝を超える超大型の遺存良好なものであり、かつ、形態的特徴を備え装飾性に富むものである。
北井門遺跡2次調査地(松山市北井門)で出土した2箇は、形態・意匠・寸法とも近似する。細い胴部に円孔14段と最上段に円形文を施す。外方に浅く開いた口縁部の端部は上下に拡張され、端面を櫛描き波状文とS字形の浮文で飾る。寸法は、器高71.4~71.7㎝、口径41.4~44.4㎝である。本例は、弥生時代後期後葉に盛行した大型器台の典型のひとつである。