比自岐神社の祇園踊
ひじきじんじゃのぎおんおどり
概要
毎年7月第4日曜、比自岐神社の祇園祭に奉納されている踊りで、県内で「かんこ(鞨鼓)踊り」と総称される、風流太鼓踊りの派生形である。
大太鼓と貝の拍子が中心で、鞨鼓を打つ踊り手は登場しません。大太鼓を打つ時の踊り子の所作が「踊り」に発展したもので、類例は伊賀西部から奈良県東部(大和高原北部~宇陀川流域)に分布している。
基本的な踊りの体形は、神殿・鳥居を背に歌出しが並び、向い合わせに大太鼓を2台並べる。大太鼓1台につき踊り子が6人付き、交代で太鼓を打つ。神社境内の四方には、くじ付きの団扇を結びつけた笹竹や、枝垂れ桜に似せた造花「ほうろ花」が立てられる。「ほうろ花」は、伊賀地域のかんこ踊りや祇園祭に特徴的なものである。衣装は、踊り子が丈の短い浴衣に黄色の帯と襷、頭には花笠を被り、足は素足である。歌出しは菅笠を被り、浴衣に黒の羽織を着て、団扇を持つ。貝吹きは浴衣である。
比自岐神社の祇園踊は、伊賀西部から奈良県東部(大和高原北部~宇陀川流域)の風流太鼓踊りの地域的特色をよく伝えるものとして、旧伊賀町や旧阿山町のかんこ踊りと並んで重要な民俗芸能である。