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旧武雄邑主鍋島氏別邸庭園(御船山楽園)

きゅうたけおゆうしゅなべしましべっていていえん(みふねやまらくえん)

概要

旧武雄邑主鍋島氏別邸庭園(御船山楽園)

きゅうたけおゆうしゅなべしましべっていていえん(みふねやまらくえん)

九州 / 佐賀県

佐賀県

現在は、御船山楽園として公開されており、サクラ、ツツジ、紅葉の名所として多くの来園者で賑わっている。入場門を入ると周囲約350mのひょうたん型の池があり、マツの間にサクラやカエデが配されており、点在する巨岩との調和がすばらしい。また、北西畔に数寄屋造りの茶屋が建つ池泉の景観からは往時が偲ばれる。茶屋は草葺一部瓦屋根で、池に面した12畳と6畳の2室とその裏側に4.5畳の囲炉裏の間と板間(水屋)、便所が配されている。12畳の座敷には床の間があり、天井は網代天井としている。縁は三面回廊となっており、茶屋からは、池に下りる石段が設けられている。池の上端を北に約200m上ると、ツツジ谷に面するツツジ園に至る。見上げる者を圧倒する御船山の断崖絶壁の景観は、麓に群植された無数のツツジと調和して、雄大で美しい。最奥部の黄金山付近は、古道と考えられる石階段が残存している。周辺の大岩に矢穴が見られることから、大岩を割って、庭園石に利用したことが推測される。端岳の西麓には、江戸時代以降の羅漢像が多数安置されている五百羅漢窟がある。
四季それぞれに趣(おもむき)があり、春はサクラやツツジ、フジが咲き乱れ、夏はアジサイ、深緑、秋は紅葉、冬はツバキが彩(いろどり)を深めている。特に5万株のツツジの開花期には園内が一面花の絨毯(じゅうたん)を敷き詰めたようになり、背景の断崖絶壁と調和して、背山(はいざん)臨水(りんすい)の見事な景観をみせている。

佐賀県武雄市武雄町大字武雄4241番地 外21筆

指定
指定年月日:20190426

小原 嘉久・小原 美惠子

記念物

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