従軍記章
じゅうぐんきしょう
概要
①昭和六年乃至九年事変従軍記章
年代:昭和9年(1934)7月23日発行
寸法:縦10.8cm×横3.0cm
②支那事変従軍記章
年代:昭和14年(1939)7月27日発行
寸法:縦8.6cm×横3.7cm
寄贈者の父が昭和六年乃至九年事変(満州/上海事変)及び支那事変に従軍した際に、大日本帝国軍から授与されたものである。
①のメダル部分の表面には、菊花御紋章を背に一匹の鳶(金鵄)が大きく両翼を広げる様が中央に配置されている。裏面には、中央に篆書体で「昭和六年乃至九年事變」と右読みで陽鋳され、文字の上部には陸軍と海軍の紋章の入った鉄兜が並び、文字の周りはリボンで縁取られている。また背景には満開の桜の花とおぼしき模様が一斉に陽鋳されている。記章に付随しているリボンは、海老茶、橙、桃、黄、赤の五色の糸が織り込まれている。
②のメダル部分の表面には、菊花御紋章を背に一匹の鳥(八咫烏と思われる)が大きく両翼を広げる様が中央に配置され、その足元を彩るように二本の旭日旗が交差し、下から上に向かって左右に広がるように陽鋳されている。裏面には、中央に篆書体で「支那事變」と右読みで陽鋳され、文字の上部には雄大な山々、文字の周りには雲、文字の下部には波のような模様が陽鋳されている。記章に付随しているリボンは、青、水色、山吹色、赤、朱の五色の糸が織り込まれている。
いずれの記章も、リボンの裏側に衣類の胸ポケットなどに引っかけるための小さなフックが付いている。リボンにはメダル部分と同じ素材の金属のプレートが付いており、篆書体で「従軍記章」と右読みで陽鋳されている。
【従軍記章(じゅうぐんきしょう)】
戦地から帰還した軍人・軍属に与えられた記章。
HP「大辞林 第三版」(2016年12月2日アクセス)
【満州事変(まんしゅうじへん)】
1931年(昭和6)9月18日、奉天(今の瀋陽)郊外での柳条湖事件を契機に始まった、日本の中国東北部への侵略戦争。翌年満州国独立を宣言、さらに熱河省を占領、国民政府と塘沽(タンクー)停戦協定を締結して満州領有を既成事実化した。
HP「デジタル大辞泉」(2016年12月2日アクセス)
【上海事変(しゃんはいじへん)】
① (第一次)満州事変後の1932年(昭和7)1月、世界の耳目を満州国からそらせ、あわせて上海における排日運動の高まりをおさえるために、日本軍によって計画実行された日中間の衝突。一・二八事件。
② (第二次)1937年8月(日中戦争開始の翌月)、日本軍が上海を攻撃し、全市を占領した事件。戦争拡大の契機となった。
HP「大辞林 第三版」(2016年12月2日アクセス)
【支那事変(しなじへん)】
日中戦争に対する当時の日本側の呼称。昭和12年(1937)7月の盧溝橋事件をきっかけにして起こった日本と中国との間の戦争。はじめ日本政府は支那事変あるいは日支事変とよび、宣戦布告も行わなかったが、戦線は全中国に拡大、太平洋戦争に発展した。日華事変。
HP「デジタル大辞泉」(2016年12月2日アクセス)
※参考
・HP「中野文庫」(2016年12月2日アクセス)