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氷嚢釣

ひょうのうつり

概要

氷嚢釣

ひょうのうつり

民俗 / 昭和以降

昭和前期

幅39.0cm×高51.6cm(組立時)

1基

富山県高岡市古城1-5

資料番号 2-07-61

高岡市蔵(高岡市立博物館保管)

氷嚢を吊るす組立式の台である。氷嚢は氷片や水を入れて患部を冷やすためのゴム製の袋であり、氷嚢を吊るすことで前頭部を冷やすことができた。
 木製であり、台の脚・台の脚を留める棒・氷嚢を吊る金具付の棒など計5本ある。
紙製の共箱は表面の紙が剥がれており「[  ](「TRA」カ)DE MARK」、「ホープ氷嚢釣」、「□AN□A□RED」、「□(「S」カ)EISAKUSY□(「O」カ)」、「□OYA□」とあり、氷嚢を吊るして前頭部を冷やす人がデザインされている。
製造元は、栄ホープ株式会社(昭和21年に大阪市南区日本橋1丁目で創業)とも考えられるが、確証が無いため今後の調査が必要である。


【氷嚢】
 家庭において熱のある時には、専ら水で濡らした手拭いや氷嚢で額を冷やしたり、首の裏を氷枕で冷やすことが行われた。氷嚢は明治16年(1883)の広告に同10年の新発明として国産の紙製氷嚢の記載があり、当時は船来の牛・豚の膀胱を使用した氷嚢が出回っていた。
 明治4年(1871)のゴム布の発売と同17年の氷の生産可能によって、同27年のゴム製氷枕の登場、同31年のゴム製氷嚢の登場となり、病院だけでなく一般家庭でも解熱処方が可能となった。第二次世界大戦の終戦直後は物資不足のため、和紙を貼り合わせた氷嚢が一時的に復活した。

・『くすりの夜明け-近代の薬品と看護-』内藤記念くすり博物館,2008
・HP「内藤記念くすり博物館」http://www.eisai.co.jp/museum/index.html(2015年5月15日アクセス)

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キーワード

/ 洞穴 / 熔岩 / ゴム

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