絵葉書(高岡の大雪)
えはがき(たかおかのおおゆき)
概要
大雪に見舞われた高岡市内の写真絵葉書である。
表面に右読みで「郵便はがき」とあり、通信文欄が全体の1/2となっているため、昭和8~19年(1933~44)に発行されたものと考えられる。
本資料の写真が何年に撮影されたものかは不明であるが、明治以降昭和19年までの間に記録された豪雪は数多い。このうち、昭和15年(1940)1月の積雪は伏木測候所で1.83mを観測し、天保12年(1841)正月以来、100年目の大雪であるとされ、現在広く県民に豪雪の年として知られている「38(サンパチ)豪雪」以前のものでは最大の積雪であったとみられる。
四隅を押さえて飾ったと見られ、日焼けしているが、資料の状態は良好である。すべて未使用。
①「中心地は埋る」
寸法:縦9.1cm×横13.8cm
高岡市末広町通り付近を撮影した写真絵葉書。建物の1階部分が雪で覆われ、右側の建物は1階屋根と路上の雪がつながり、壁のようになっている。奥に電灯が灯り、歩いてくる人が見える。
左下には「(高岡)中心地は埋る(末広町通り所見)」と右読みで印刷されている。
中央付近に折れ傷がある。
②「屋根雪に挑む」
寸法:縦9.0cm×横13.8cm
高岡市白銀町付近での屋根雪を下ろす様子を撮影した写真絵葉書である。家屋の1階部分は積もった雪で見えなくなっている。さらに、排雪する場もないことから道路にも雪が捨てられ、道幅が狭くなっている。右の女性はスコップのようなものを持ち、梯子に登って屋根の雪を下ろしている。左手にも雪下ろしをする人が小さく写っている。
右下には「(高岡)屋根雪に挑む(白銀町所見)」と右読みで印刷されている。
③「用無し遮断機」
寸法:縦9.0cm×横14.0cm
高岡市大工町の遮断機を撮影した写真絵葉書。傘を差しながら踏切を渡って行く人が写っている。
左下には「(高岡)用無し遮断機(大工町踏切所見)」と右読みで印刷されている。
④「家を訪ねて」
寸法:縦9.1cm×横14.1cm
高岡市二番町辺りの通りを写した写真絵葉書。積もった雪の上に、さらに屋根などから排雪されて路上に高く積み上げられた雪で家屋が見えづらくなっている。
左下には「(高岡)家を訪ねて(二番町所見)」と右読みで印刷されている。
⑤「路は遠し」
寸法:縦9.0cm×横14.0cm
高岡市西下関辺りの通りを撮影した写真絵葉書。屋根雪は1mほど積もっているとみられる。手前に写る人の一方は藁靴をはいている。
左下には「(高岡)路は遠し(西下関所見)」と右読みで印刷されている。
<参考文献>高岡市史編纂委員会編『高岡市史 下巻』青林書院新社,1976