青磁合子
せいじごうす
概要
青磁の合子。合子は、蓋付の小さい容器のことで、主に香合や化粧品入などとして用いられた。身は底部と口縁を、蓋は口縁を除き、全体に淡黄色の青磁釉がかかる。南宋時代(1127-1279)から元時代(1279-1368)初期まで、龍泉窯ではエメラルドグリーンのような澄んだ青緑色の青磁が作られた。海外にも積極的に輸出され、日本では「砧青磁」と呼ばれて珍重された。この時期の製品は、鎌倉や京都を中心に日本の寺院に伝来しており、室町時代には足利将軍家の座敷飾りにも用いられた。本作品も、装飾を排し、淡黄色を呈する素朴な印象を与える合子で、おそらく南宋-元時代の製品と考えられる。