青白磁唐花文合子
せいはくじからはなもんごうす
概要
青白磁の合子。蓋の表面に線彫りで円形の枠を設け、その中に大きく唐花文を線彫りで表し、側面にも花唐草文を施す。身は底部と口縁を、蓋は口縁とその周囲を除いて、全体に淡い青磁釉をかける。青白磁とは白磁の一種で、北宋時代に江西省の景徳鎮窯、南豊窯を中心に中国南部で作られた。胎土の中に含まれた微量の鉄分が還元炎で焼成されたために青みを帯びる。淡青色の美しい釉薬に加えて、繊細な彫り文様が優雅な雰囲気を添えており、中国では「影青(インチン)」と呼び愛好された。本作品は、清涼感のある淡い青緑色で、文様も丁寧に彫り込まれており、南宋時代(1127-1279)に景徳鎮窯で作られた製品と考えられる。