青白磁六稜形花瓶
せいはくじろくりょうがたかへい
概要
青白磁では様々な製品が見られるが、本作品は一対の、高さが20cmに満たない小型の瓶である。花瓶や飾りとして用いられた実用品か、あるいはミニチュアとして作られた副葬品の可能性も考えられる。口縁は6弁の稜花形に削る。各弁の先端部から頸、肩、胴を通り底部まで陽刻の線で6つに区画し、さらに肩から底部にかけては、その区画の内側を陰刻で2面に区切り瓜形とする。高台は深く斜めに削りだす。高台を除き全体に青みを帯びた釉薬がかかる。
青白磁とは白磁の一種である。北宋時代には、江西省の景徳鎮窯や南豊窯を中心に南部で作られた。胎土の中に含まれた微量の鉄分が還元炎で焼成されたために青みを帯びる。淡青色の美しい釉薬に加えて、繊細な彫り文様が優雅な雰囲気を添えており、非常に評価が高く、中国では「影青(インチン)」と呼び愛好された。