緑釉加彩馬
りょくゆうかさいうま
概要
鞍をつけた馬を表した陶製の小像で、中空の造りである。素地は紅陶で、全体に白化粧を施し、鞍に朱色の絵具を塗り、泥障、腹下の空間、蹄および台座には淡緑釉をかける。中国では多彩な器物のミニチュア模型「明器」とともに、人物や動物の姿を映した「俑」がやきもので象られ、死者のあの世での幸福を祈って副葬された。数ある動物俑のなかでも馬は戦国時代に出現した。唐時代には高さ、長さとも10センチに満たないごく小さな馬の俑が作られた。後漢時代にも同様の極小の動物俑が流行したが、唐時代のそれは台座と一体のものが主流となる。紅陶の素地に白化粧を施し、緑釉をかける点は唐三彩の技法にも共通する。唐時代は繁縟で大型の唐三彩が発達する一方で、このように小型で素朴な動物俑も数多く作られた。