加彩牛
かさいうし
概要
牛の表面の所々に黒と朱の絵具の痕跡がみられる。四肢は別作りであったようで、本体には表現されていない。造りは中空で、底部中央に楕円形の孔が空く。尾は表現されていない。
中国では多彩な器物のミニチュア模型「明器」とともに、人物や動物の姿を映した「俑」がやきもので象られ、死者のあの世での幸福を祈って墓に副葬された。動物俑のなかでも牛は後漢時代後半から唐時代にかけて車とともに多く作られたが、少なくとも本作には車が伴っていない。後漢時代前半、つまり1世紀以前の貴重な作例であると考えられる。