動物形竿頭飾
どうぶつがたかんとうしょく
概要
丸いわっかのついた四角い台座の上に、一頭の動物が立っています。大きな耳や顔立ちから、ロバの一種と思われます。台座のなかは空洞になっており、四角く突き出た竿状の部材に覆いかぶせるようにして用いたと考えられています。そのため、竿頭飾と呼ばれています。こちらの作品も、台座のなかには動物の骨でつくられたと思われる部材がのこっています。
当時、どのような場面で使われたのでしょうか。このような竿頭飾は、中国北方、シベリア地方、中央アジアといったように、幅広い範囲で確認されています。シベリアでは、棺ののせる台座の四隅につけられていた例や、車馬具とともに出土した例もあります。用途を特定することは難しいですが、愛らしい動物の造形には、ユーラシアの草原地帯に暮らした人々の、自然や生き物に対する温かなまなざしを感じることができます。