唐文皇哀冊文
とうぶんこうあいさくぶん
概要
唐の太(たい)宗(そう)皇帝の葬儀に際して、太宗の生前の功徳をたたえ崩御を悼んだ文章を中書令が読み上げました。その文を哀(あい)冊(さく)といいます。文皇とは、太宗の最初の諡(おくりな)。太宗哀冊ともいいます。古くから褚(ちょ)遂(すい)良(りょう)の書として喧伝され、『戯鴻堂法帖』などに刻入されました。(130423_t082)
本帖は、翁方綱(おうほうこう)と親交のあった陳崇本の旧蔵品です。帖後に、乾隆8年(1803)の翁方綱の跋があり、唐文皇哀冊は褚遂良(ちょすいりょう)の書の中でも第一であること、この拓は宋刻の精品で、後日、良工を選んで翻刻したいと絶賛しています。他に銭樾(せんえつ)・成親王(せいしんのう)の跋があります。