孔子像(歴聖大儒像のうち)  こうしぞう れきせいたいじゅぞうのうち

漆工 / 江戸 

狩野山雪筆、金世濂賛
江戸時代・寛永9年(1632)
紙本着色
1幅

 どっしりと座り、穏やかな表情で前方を見つめる髭の人物は、孔子です。孔子は中国春秋時代の学者、思想家であり、儒学の教えを最初に説いた人物です。
髪や髭、眉、そして目元の細かい描写、流れるような柔らかい衣服の線にご注目ください。たっぷりとした衣服の中に、厚みのある身体がたしかに存在しているように描かれています。
 この肖像画は、孔子以前の聖人10人、孔子およびその弟子4人、宋時代の儒者6人をひとりずつ描き、計21幅で構成されたうちの一幅です。全21人の中でも座って描かれているのは孔子だけで、これが中心的な作品であることが分かります。
 これらの肖像画は、食物や酒をささげて孔子や弟子たちを祭る行事・釈奠(せきてん)に用いるために制作されました。江戸初期の儒者で、徳川幕府の儒教政策を支えた林羅山(はやしらざん)の求めに応じ、狩野山雪によって描かれたものです。羅山の江戸忍岡学問所内の先聖殿(せんせいでん)で行われる釈奠のために依頼されました。画中の賛(文章)は、朝鮮通信使副使の金世濂(きんせいれん)によって、絵の完成から4年後に加えられました。

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