祖師図
そしず
概要
洞山暁牕(とうざんぎょうそう)は北宋の雲門宗の高僧で、仏日契嵩(ぶつにちかいすう)の師。本作は鼻腔をほじり自由に生きる人物を描いています。淡墨で輪郭をとり、髪毛などを渇筆で描くこのような人物画は、南宋時代の禅林で流行したもので、本作もこの時期以降の作品と思われます。
この「祖師図」には一つの外箱のなかに、本図より大きい内箱に沢庵宗彭【たくあんそうほう】(1573~1646)の鑑定文、古筆家【こひつけ】による極札【きわめふだ】2通が納められています。沢庵の筆跡が鑑定書としての本来の機能を離れ、墨跡としても鑑賞されたことが、古筆家の「極【きわめ】」や箱の形態からもわかります。