曼殊院宮良恕法親王消息
マンシュインノミヤリョウジョホッシンノウショウソク
概要
後陽成天皇の弟であり、「竹内門跡」とも呼ばれた曼殊院に入室した良恕法親王(一五七四~一六四三)の手紙。本日、行われる講釈について、昼過ぎにお越しくださるよう、大覚寺門主で兄の空性法親王から知らせがあったので、そのつもりでいると伝える。宛所の「中院殿」は中院通村(一五八八~一六五三)をさし、講釈の内容は父・通勝から継承した『源氏物語』と考えられる。短文ではあるが、当時の文化を牽引した宮廷サロンの様子が垣間見える。