天皇摂関御影
てんのうせっかんみえい
概要
天皇をはじめとする三十七名を配列し描いた巻物で、もとは一巻であったが、近年二巻に分割された。像主の名は京都・曼殊院に伝来した「天子摂関御影」(宮内庁蔵)によって推定できる。甲巻には鳥羽院からはじまり亀山院までの十四人の天皇を、乙巻には後宇多院・伏見院・後伏見院の三天皇および九人の僧形、さらに法性寺関白忠通より岡屋関白兼経までの十一人の摂関が描かれている。いずれも似絵独得の細線重ねがきによって面貌の下描がなされ、その上に濃彩がほどこされ、さらに墨線のかき起しがなされている。本作品は似絵の画系にあった為信、豪信によって製作された宮内庁本ときわめて類似した画風を示しているが、製作年代はこれより先行すると考えられる。
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