源氏物語絵巻 げんじものがたりえまき

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歴史資料  絵図・地図 / 平安 / 日本 

平安/12世紀
縦21.2-22.0 横20.4-48.9
四十三面のうち
国宝

 「源氏物語絵巻」は、紫式部が著した『源氏物語』を抒情的な画面の中に描き出した絵巻で、十二世紀前半に白河院鳥羽院を中心とする宮廷サロンで製作されたと考えられている。当初は『源氏物語』五十四帖を一具として描かれていたとみられるが、現存するのは絵・詞書ともに残る、蓬生・関屋・柏木・横笛・鈴虫・夕霧・御法・竹河・橋姫・早蕨・宿木・東屋の十二帖分十九段(鈴虫・夕霧御法は五島美術館蔵)、絵が失われ詞書のみ残る絵合のみで、近年確認された若紫の絵の断簡と諸家に分蔵されている詞書の断簡を含めても二十帖分が知られているにすぎない。詞書は五種類の書風(第一類-柏木・横笛・鈴虫・夕霧・御法、第二類-蓬生・関屋・絵合・松風、第三類-若紫・末摘花・乙女・早蕨・宿木・東屋、第四類-竹河・橋姫、第五類-薄雲・螢・常夏)に分類できるが、江戸時代に寂蓮あるいは世尊寺伊房筆と極められた柏木・横笛・鈴虫・夕霧・御法と続く第一類の書風は、十一世紀中期以降の伝統を引き継ぐ美しい連綿体で書きつづられ、時には重ね書きや段落しなど、本絵巻中最も優れた「手書き」によって染筆されたとみられる。これに対し飛鳥井雅経を伝承筆者とする第四類は、自由奔放で肥痩にとみ、藤原忠通(一〇九七-一一六四)にはじまる法性寺流の新様の書風が示され、「今城切古今和歌集」などの筆者とみなされている藤原教長(一一〇九-八〇)と同筆とする説もなされている。いずれにせよ、本絵巻には当時の新旧の書の様式が混在している。さらに紫や茶のぼかし染や型抜き、波文の雲母刷り、下絵などがほどこされ、金銀の砂子・切箔・破り箔・野毛などが撒き分けられた色紙状の紙をつなぎ合せた美麗・過か差さ極まりない料紙は、王朝貴族たちの趣向がよく反映されており、永治元年(一一四一)に営まれた「久能寺経」に近い装飾手法を示していると言える。なお、本作品はもと巻子本であったが、保存を目的として昭和七年から十年にかけて額面装に改められた。

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