薔薇の花

絵画  油彩画 / 日本 

黒田清輝 (1866-1924)
くろだせいき
大正期
油彩・板
34.7×26.1
額装

 日本の洋画は黒田によって技術的にだめになったという人がいる。明治の中ごろ、閉塞していた洋画界にすい星のごとく現れ、フランス仕込みの明るい色調をもたらした黒田の影響は、確かに大きかった。とはいえ、黒田に追随した画家たち、それからその後の画家の技術的な未熟さをすべて黒田に押し付けるのはいかがなものかと思う。概して、黒田以降の画家は絵の具の付き具合が少し悪い。だが、これは日本だけでなくヨーロッパのこの時代の画家の作品にもいえることであり、印象派以降の作品は表面のつやをあまり出したくないがために、絵の具保護の役割を果たすワニスを塗らなかったり、接着力を高める油をつやが出るからと極力交ぜなかったりしている。しかし、この作品はとても保存状態がいい。それは元の所蔵者が大事に扱っていたことと、板に描かれていることでキャンパスの布よりも伸縮率が低いことが、その大きな理由である。
 それにもう一つ、この絵には迷いによる塗り重ねがなく一気に描かれていることも幸いしている。(田中善明)

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