紀州版群書治要
きしゅうばんぐんしょちよう
概要
徳川家康が、隠居後に駿府で銅活字により印刷させた『大蔵一覧集』と『群書治要』は、駿河版と呼ばれるが、この活字は初代藩主・徳川頼宣により、和歌山に移された。幕末の弘化年間(1844~48)に、和歌山でも藩督学・山本元恒の序文を付け加えて『群書治要』が再版されており、これを紀州版という。本品は、紀州版の『群書治要』で、全冊の冒頭に南葵文庫の蔵書印が捺され、表紙に蔵書票が貼られている。なお、印刷に用いられた活字は、南葵文庫を経て、現在は凸版印刷株式会社が所有し、重要文化財に指定されている。