鯛曳き御台人形
たいひきおだいにんぎょう
概要
明治45年(1912)、朝香宮鳩彦王の第一王女紀久子様の初節句の折に、毛利安子(旧周防山口藩主・公爵毛利元徳夫人)より献上された大小1組の御台人形のうちのひとつ。昭和6年に侯爵鍋島家12代直映嗣子直泰公へ降嫁された紀久子様が婚礼調度として持参された。
幅30㎝の桐製の台に取り付けられた身の丈15㎝の御所人形が鯛車を引く様子。人形は立枝菊を刺繍した赤縮緬地の腹掛けと羽織を身に着けており、口をへの字に結び仁王立ちするさまは力強い。外箱蓋裏には「漆器道具小間物類諸品調達 近江屋 中西喜助」の商標がある。
皇族の子女が初参内や初節句、初誕生日などの慶事の折々に天皇・皇后両陛下より賜る御台人形の木製台は通常幅2尺(約60㎝)ほどで、人形の身の丈は1尺(約30㎝)ほどであるが、公爵家より献上されたこの御台人形はその半分の大きさである。