六合入山のネドフミとスゲ細工の技術
くにいりやまのねどふみとすげざいくのぎじゅつ
概要
本件は,群馬県吾妻郡中之条町の入山地区に伝承される植物原材料の調整技術とそれを用材とした生活用具の製作技術である。この地域には,ネドフミと呼ばれ,河川に自噴するアルカリ性の温泉にスゲなどの植物を一定期間漬け,繊維を適度な軟らかさに整える技術が伝えられてきた。地区の共有泉のある河原で,川床を掘り下げ,石で囲って湯溜りをつくり,その中に材料となるスゲなどを沈め,10日から2週間ほど漬け込む。その後,天日で乾燥させる。こうして整えた材料を用いて,冬のあいだ,日常生活に使う各種の用具が作られてきた。現在は,ねどふみの里と称する伝承施設を活動の拠点とし,厳冬期を除いて,コンコンゾウリとムシロを中心にスゲ細工が伝承されている。
(※解説は選択当時のものをもとにしています
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