高岡七本杉 木彫彩色天狗立像
たかおかしちほんすぎ もくちょうさいしきてんぐりゅうぞう
概要
高岡七本杉 木彫彩色天狗立像
たかおかしちほんすぎ もくちょうさいしきてんぐりゅうぞう
富山県高岡市
明治後~昭和初期頃
七本杉・木彫,彩色
高さ約33cm
1体
富山県高岡市古城1-5
高岡市立博物館蔵
宮野家資料。
天狗像は鼻が高いが、肌は赤くなく、翼はない。また、山伏のような装束ではなく、膝丈まであるゆったりとした白い着物を着ており、頭襟も被っておらず、高下駄は二本歯である。左手に緑色の羽団扇を持っているが、これも5枚羽であり、一般的なものよりも羽根の数が少なくなっているなど、一般的な天狗のイメージとは異なった像容を呈している。朱塗厨子内に固定して納められている。
かつて高岡駅前(末広町39の現SMBC日興証券高岡支店の前)に立っていた巨木 七本杉の遺材で作られた御神体(作者不明)。
寄贈者が先祖から聞いた話によると、明治27年(1894)9月頃、暴風により七本杉の7本の幹のうち5本が折れてしまった。この折れた5本の遺材を宮野家の納屋で保管し続けていたところ、寄贈者の先代で梅松園2代の宮野保一氏(1885~1977)の夢枕に「七本杉の遺材を使って、富山の仏壇または彫刻師に天狗の像を作ってもらえ」とのお告げがあり、天狗像や厨子、祠、台座などを作成して(作者不明)家で祀っていたとのこと。なお、古来より七本杉には神霊や天狗がいるともいわれ、ご神木ともされていたが、枯れて倒潰のおそれが出てきたうえ、交通や商店街拡張の妨げともなってきたので、昭和2年(1927)11月に伐採された。