田能遺跡出土銅剣鋳型
たのいせきしゅつどどうけんいがた
概要
第4調査区の土坑から、弥生時代中期前半の土器片とともに出土しました。銅剣鋳型は、当時、近畿地方で初めての発見と話題になりました(現在は、大阪府の鬼虎川遺跡でも見つかっています)。
鋳型は砂岩を彫り込んだもので、直方体の一面に銅剣の茎(なかご)部分と関(まち)から上がわずかに残されていました。破損した後に砥石として再利用されたため傷跡が残っており、本来の鋳型の大きさよりも小さくなっていると考えられます。
現存する長さは6.6センチメートル、最大幅6.6センチメートル、最大の厚みは5.3センチメートルで、鋳型面に彫り込まれている剣の現存の長さは、全長5.8センチメートル、剣身部長3.6センチメートル、剣身部最大幅4.7センチメートル、関幅4.4センチメートル、脊(せき)幅1.7センチメートル、茎部長2.4センチメートル、同幅1.65センチメートルです。
この鋳型から復元される銅剣は中細形銅剣a類に属し、復元すると40センチメートルを超える大きさになると推定されます。この鋳型の発見から、田能遺跡及び周辺で青銅器製作が行われていたと考えられています。