明極楚俊墨蹟 偈
みんきそしゅんぼくせき げ
概要
筆者明極楚俊は元の虎巌浄伏に嗣香を捧じた人である。すなわち月江正印と門を同じくし、双林の主となり、却来して五山諸寺の首座を勤めた。竺仙梵僊らと行を偕にして来日、時に嘉暦4年(1329)、老齢68歳であった。北条高時に請われて建長寺十三世を嗣ぎ、後醍醐天皇にむかえられて南禅寺十三世となる。建仁寺の主ともなり、建武3年(1336)に示寂。
これは来日の翌年、すなわち南北朝併立の前年にあたる元徳2年(1330)、南禅寺の起山師振に賦し与えた偈頌である。師の遺墨は十指を屈するに近いが、本幅はそれらのうちの代表ともみなされるもので、書風は黄山谷(黄庭堅)に加えるに、金の王庭筠あたりか。
所蔵館のウェブサイトで見る
公益財団法人 根津美術館