白衣観音図
びゃくえかんのんず
概要
観音菩薩の三十三変化相(へんげそう)のひとつである白衣観音は、水墨画に数多く描かれたが、白衣を纏(まと)い山中の波打ち寄せる岩上で寛(くつろ)ぐ姿は経軌(きょうき)には説かれない。おそらく唐代以降、禅宗教団内での自由な発想から生まれたものであろう。図中に「赤脚子」の印を捺した筆者赤脚子の伝記は不明だが、画風から明兆(みんちょう)に代表される東福寺画系に属する絵師と考えられる。本図とほとんど同図様の明兆74歳筆「白衣観音図」(静岡・MOA美術館蔵)が現存することからも、両者の密接な関係が想定される。
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