石崎八幡神社の鰐口
いしざきはちまんじんじゃのわにぐち
概要
・文化10年(1813)頃に、石崎村脇ノ沢(現在の函館市石崎町)旧山神社地から掘り出され、石崎神社前に懸けられていた、直径17.7㎝、厚さ6.3㎝の青銅製の鰐口です。
・鰐口の表面は、周縁を二重の陽鋳線で縁取り、その内側は三重線の圏界線により、外区(銘帯)、内区、撞座区とに区画されています。このうち外区には「奉寄進夷嶋脇澤山神御寶前施主平氏盛阿弥敬白 永享十一年三月日」の銘があり、永享11年(1439)に平氏盛阿弥という人物により、脇ノ沢山神社に寄進されたものであることを物語っています。和人が北海道へ渡った記録としては、嘉吉3年(1443)の安東盛季の渡道が最古のものとされ、それ以前のものは未確認となっています。
・この鰐口は本州地方で製作されたものと推定され、交易によるものかどうかは不明であるが、すでに永享年間当時の北海道において、和人が活動していた様子を知る上で貴重な金石文の資料です。
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北海道(地方指定文化財)