女の館 おんなのやかた

絵画  油彩画 / ヨーロッパ 

パウル クレー (1879-1940年)
くれーぱうる
1921年
厚紙,油彩
41.7 x 52.3cm

 スイス、ベルンの近郊ミュンヘンブーフゼーに生まれる。ミュンヘンの美術学校に学び、イタリア旅行とスイスへの帰郷ののち、再びミュンヘンに移住。1911年以降、カンディンスキーを代表とする「青騎士」の画家たちと交友する。1914年、アウグスト・マッケらとともにチュニジアに旅行し、北アフリカ独特の色彩に目覚める。これ以後、色彩がクレーの重要な造形主題となる。第一次世界大戦にドイツ兵として従軍した後、戦後まもなくの1921年に総合的な造形芸術のための学校バウハウスのためにグロピウスにマイスターとして招かれ、のちにデュッセルドルフ美術学校 の教壇にもたった。1931年、ナチスの台頭に伴い辞職を余儀なくされ、1933年にはベルンに隠棲。晩年の大病を克服し、生涯を通じて9000点を超える作品を残した。ロカルノ近郊ムラルトで没。音楽や詩文学にも造詣が深く、音楽言語の造形的展開や歌劇の主題化、文学性の高いタイトルが、彼の造形世界に詩情的な豊かさを与えている。 この作品の特徴の一つに、交差することなく、くねくねと横方向に流れていく破線があるが、よく見ると、この線はシンプルにデザインされた家や、縦棒と円形を組み合わせただけの樹などのモティーフの端を通過している。濃紺の色調のベースに緑や赤、そして青や白が所々に配列されている。中央下部に、主題となる「女の館」だろうと推定される、幕が横でまとめられ、暗い窓の存在が奥にかすかに見える場面の中で最も暗い場所が配置されている。絵全体は拡がりのある何かの舞台装置にも見えるが、横に走る線もあってか、楽譜にも波立つ水面に映り込んだ風景にも見える。子供の素描にも似た、簡潔な線と単純化された形態による抽象化されたイメージ表現、そして油彩でありながらもベースとなっている色彩が見えてくるような透明感のある色彩の塗り重ねによって、色彩と、線と形態との間に高い調和が作り出されている。(H.M.)

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