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僧形立像(自画像)

概要

僧形立像(自画像)

絵画 / 東洋画(日本画を除く) / 江戸 / 日本

月僊  (1741-1809)

げっせん

制作年不詳

絹本着色

95.6×34.5

軸装

 月僊は、僧侶として、慈善実業家としてあるいは画家として、江戸時代後半、伊勢地方の人々と深くかかわった人物であった。
 名古屋に生まれた月僊は、得度ののち、江戸増上寺、京都知恩院で修行を積み、三十四歳のときに、伊勢の寂照寺に住職として赴任した。こうした僧侶としての修行の経歴と並行して、画家としての学習も続けた。江戸で桜井雪館という雪舟の伝統を継ぐ画家につき、京都に移ると円山応挙に師事することになる。
 この作品は、ながらく作者月僊の自画像と言い伝えられているものである。だとすると、像の足元に捺された印章から判断して、おそらくは三十歳代、伊勢に移ってほどなくのころのものだろう。
 僧侶の肖像を描くこと自体は、たとえば禅宗の頂相のように珍しくはないが、それが自画像ということになると、話は違ってくる。画家としての月僊に自意識の芽生えと深くかかわっているのかもしれない。 (山口泰弘)

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