十六羅漢図

絵画  東洋画(日本画を除く) / 江戸 / 日本 

月僊 (1741-1809)
げっせん
制作年不詳
紙本墨画
149.0×87
軸装

 画面は縦一四九cm、横八七cmという掛幅として比較的大きいが、見ての第一の特徴は、全体を淡墨で埋め尽くして、余白を人物に仕立てるという趣向にあろう。
 作者月僊が師と仰いだ与謝蕪村に、雪中で枝にたたずむカラスを描いた絵がある。カラスはもちろん墨で塗っているが、寒空を淡墨で塗り込めて、塗り残しを大粒の降雪に見立てる趣向がとられている。
 おそらく、この表現方法自体は蕪村の発明というよりは、江戸時代に中国から輸入されていた絵画を参考にしたものと思われるが、それが独持の表現効果や趣向というだけにとどまらず、厳しい内面表出につながっているところに、蕪村のすごさがあるのだろう。
 月僊の場合も、一種独特の表現効果を生み出すことに成功していることは疑いない。 (山口泰弘)

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