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自画像

概要

自画像

絵画 / 油彩画 / 明治 / 日本

長原孝太郎  (1864-1930)

ながはらこうたろう

1900(明治33)年

油彩・キャンバス

45.5×33.5

額装

 村夫子(そんぷうし)という言葉がある。辞書を引くと「田舎の学者。村の先生」とある。好々爺(こうこうや)という言葉もある。辞書には「人のよい老人」とある。長原が初めから老人だったわけではないのはいうまでもないが、どこにも圭角のない温和な絵をながめ、親しかった森鴎外やその娘たちの回想を読んでみると、「人のよい年長のおじさん」という印象がどこまでも強まっていく。年のわりには老成した長原のこの自画像は、そんなこちらの思い込み通りの顔付きをみせてくれるではないか。おれは芸術家だという気負いがまるでなく、それより何か人気のない地味な研究をこつこつと続けている学者の肖像に似ている。およそ「自画像」らしくない自画像だ。こういう人が画家になったというのが明治という時代の面白さかもしれない。ちなみに長原は「止水」という号を持っていた。明治時代の小説の装丁で、この「止水」を見かけることがある。
(東俊郎)

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キーワード

長原 / 孝太郎 / 自画像 / 原田

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