絹本著色楊柳観音像
けんぽんちゃくしょくようりゅうかんのんぞう
概要
本図は、その銘文によると、寄進者良賢の先師某の蔵品として鏡神社の一坊に伝わったが、明徳二年(一三九一)鏡神社の両所尊廟(祭神・神功皇后・藤原広嗣)や先師、良賢二世のために寄進されたものであることが知られ、その由緒を明らかにする点、諸本にはない価値を有している。
画面の大きさもさることながら、その彩技は入念緻密で伝世の楊柳観音像中良本の一つにあげられ、制作時も高麗末葉(十四世紀)に置かれる。
なお、鎌倉時代には鏡社人が高麗と往来のあったことが正史に見えており、本図のこの地に伝わることもゆえなきことではなく、日韓交渉史の上でも看過しがたい資料である。
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