色紙墨書万葉集巻第四断簡〈(栂尾切)/(従情毛)〉
いろがみぼくしょまんようしゅうまきのだいよんだんかん〈(とがのおぎれ)/(こころにも)〉
概要
本作品は「栂尾切」と呼ばれる古筆切で、『万葉集』伝本の最古写本『桂本万葉集』巻四(三の丸尚蔵館蔵)の断簡である。伝称筆者は源順(911~983)とされている。料紙には、茶染紙に金銀泥にて草花・鳥・流水の下絵を施した装飾料紙を用いる。華麗な装飾料紙と、漢字・仮名とも優麗典雅にして気品の高い書風は、王朝貴族の美意識を反映しており、「栂尾切」は古筆切の名品とされてきた。
書道史上に重要な作品であり、併せて平安時代中期の書写になる『万葉集』の現存最古 写本の断簡として国文学上にも貴重なものである。