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輪島の海女による伝統的素潜り漁技術

わじまのあまによるでんとうてきすもぐりりょうぎじゅつ

概要

輪島の海女による伝統的素潜り漁技術

わじまのあまによるでんとうてきすもぐりりょうぎじゅつ

無形民俗文化財 / 中部 / 石川県

石川県

石川県輪島市海士町地内他

石川県指定
指定年月日:20140620

無形民俗文化財

女性の素潜りによる海女漁は、世界的にみて日本と韓国(済州特別自治道)のみで行われている貴重な漁法である。日本国内では平成25年現在、17県において約1900人が海女漁に従事し、県下では、輪島市海士町を中心に約200人の海女が存在する。これは1地域の人数としては国内最大である。
輪島の海女たちは、潮流を指標とし海況を把握する知識、海上からのぞむ山や岬の重なり具合から漁場を測位する知識、空や風向から天気を予測する知識などの伝承知をもって海に関わってきた。また、呼吸を補助する器械を使わず、オービガネなどの簡単な道具だけを用いて、身体ひとつで貝類などを採捕する高度な潜水技術を受け継いできた。
現在まで海女漁が存続した重要な背景として地縁組織の存在がある。漁業者は、基本的に海士町を本拠とする自治会、舳倉島での居住に基づいた組割(アタリ)という二重の地縁団体に所属する。これらの組織は漁業にかかわる知識や技術の伝承母体となり、また独自に漁獲の制限を課すなど資源管理にあたっても重要な機能を有してきた。
以上及び由来欄記載の内容から、当該地の素潜り漁は、海士町が鐘崎から移動してきた漁民集団の定着によって成立したという個性的な由来を伝える点、数百年の長きにわたる里海と身体との直接的な関わりのなかで育まれた豊かな自然知識と高度の漁撈技術を受け継ぐ点、強固な共同体組織が技術の継承や資源管理に重要な役割をはたしてきた点において地域的特色を見出すことができ、民俗学的に貴重であり、無形民俗文化財に指定し、その保存を図ることが必要である。

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