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駅の裏

えきのうら

概要

駅の裏

えきのうら

油彩画 / 昭和以降 / 東京都

松本竣介  (1912-1948)

まつもとしゅんすけ

昭和/1942

油彩・キャンバス

50.0×60.6

右下: M.SHUN 17.1

三重県立美術館

東京駅を八重洲北口側から捉えた風景。白く濁った空の下に、2012(平成24)年に復原された、左右にドームを冠する丸の内駅舎のシルエットが浮かぶ。前景では、ほとんどの線が闇に沈んでいる。
 松本竣介[註]は岩手県で育ち、10代の頃、兄の進学を機に上京。書籍等を通して海外の美術を貪欲に吸収し、底流にリリシズムを保持しながら、画風をめまぐるしく変えていった。本作は、1942(昭和17)年1月に描かれ、翌月に日動画廊で開催された「松本俊介第2回個人展」に出品されたもの。1940年代初頭、画家は街を歩いて描きためたスケッチをもとに、ニコライ堂や国会議事堂等、都市の建造物を描くことに没頭する。堅牢なつくりと量感を感じさせる建物は、絵画の背景ではなく、寡黙な主役として画面に鎮座している。一連の建築風景は、この時代の混乱を忘れさせるほど、静けさに包まれている。
[註]作者は1944(昭和19)年頃に署名を「俊介」から「竣介」に変えたが、ここでは画家名を竣介と記した。

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キーワード

竣介 / 松本 / 画家 / としゅ

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