如意輪観音像 にょいりんかんのんぞう

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日本画 / 奈良県 

鎌倉時代 14世紀
絹本 著色 金泥 金箔 截金 掛幅
縦101.7 横41.6
1幅
重要文化財

 如意輪観音は、如意宝珠(にょいほうじゅ)と法輪(ほうりん)の力によって、六道衆生の苦しみを除き利益を与えるとされる尊像である。早くから二臂像も知られたが、本図は『観自在如意輪菩薩瑜伽法要』に説く、六臂金色身のもっとも通例の姿である。右第一手の掌を開いて頬にあてるのは胎蔵曼荼羅観音院の図像にしたがっている。
 截金線を多用した繊細優美な蓮華座に右膝を立てて坐し、像の全体を大きな月輪光が包む。左第一手は光明山を按ずるというが、本図では金泥で隈取った盤石の上に掌を置き、これを表している。観音の肉身は金色で塗り、朱線で描起こす。着衣や装身具も華やかに賦彩するが、その上に立涌、格子、卍繋(まんじつなぎ)などの細緻な截金文が置かれ荘厳をきわめる。また月輪には、朱を金泥でぼかした特徴ある彩色を施し、観音の全体を金泥でつつんで特殊な効果を上げている。
 背景の補陀落山浄土は、やわらかい墨隈で表現した皴に群青や緑青を彫塗り風に塗り、所々に金泥をはく。松樹や桜樹などを配して親しみのある風景を展開するが、こうした山水表現の源流は中国にあり、わが国でもようやく定着してきた水墨画表現との関連や、次代における山水画の展開を考えるときに興味深い。

奈良国立博物館の名宝─一世紀の軌跡. 奈良国立博物館, 1997, p.311, no.151.

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