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黒森歌舞伎

くろもりかぶき

概要

黒森歌舞伎

くろもりかぶき

無形民俗文化財 / 東北

選定年月日:19971204
保護団体名:黒森歌舞伎妻堂連中

記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財

 黒森歌舞伎は、山形県酒田市黒森地区において伝承されている地芝居である。その起源は少なくとも二百年以上前までさかのぼるといわれ、現在では、毎年二月十五日・十七日の地区の日枝【ひえ】神社の祭礼のとき、境内にある常設舞台で奉納されている。
 伝承演目は、義太夫狂言を主として五〇種ほどあるが、演出や芸態面で中央の歌舞伎とは異なった面もみられ、地元独自に長く伝承されたことをうかがわせる。その年の上演演目は前年三月の「太夫振舞【たゆうぶるまい】」と呼ばれるくじ引きの神事により決定されるなど、本番に向けて一年を通じてさまざまな儀式があり、歌舞伎が農村で祭礼と結びついて定着した過程をよく示している。
 現在の舞台は、日枝神社境内にある常設の黒森歌舞伎演舞場を使用しているが、昭和三十八年までは集落総出で仮設舞台を組み立てて上演されており、集落全体の重要な行事の一つとなっていたという。
 なお伝承組織は、「妻堂連中」と称する組織が一座をつくり、芝居の上演とそれにかかわる資料や財産の管理にあたっている。
 以上のように黒森歌舞伎は、幕末から近代にかけて全国的に流行した地芝居の姿をよくとどめるものとして芸能史的に貴重であり、地域的特色も顕著である。

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キーワード

歌舞伎 / 演目 / 伝承 / 舞台

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