黄色地雲尾長鳥丸模様縫箔
きいろじくもおながどりまるもようぬいはく
概要
加賀藩主前田家に伝来した能装束の一領である。繻子地を絞り染めの技法を用いて紫と浅葱の雲形と、それ以外を黄色の地色に染め分ける。雲形の輪郭と黄色の地の一部を縫廻らして3種類の雲を表し、紫には紗綾形、浅葱には切箔・野毛を散し、黄色にはすやり霞を金箔で摺り表す。さらに2羽の花喰尾長鳥丸文を様々な色糸の刺繍で表している。
昭和47年(1972)刊行の『能装束名品集』上(芸艸堂)に、「前田家蔵」と明記されてカラー図版が掲載され、名品として知られていた。