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紫地霞鉄線模様舞衣

むらさきじかすみてっせんもようまいぎぬ

概要

紫地霞鉄線模様舞衣

むらさきじかすみてっせんもようまいぎぬ

染織 / 能楽 / 江戸 / 東京都

江戸後期・19世紀/1808

丈136.0 裄110.0

1領

渋谷区千駄ヶ谷4-18-1 国立能楽堂

収蔵品番号 NS93

未指定

 加賀藩主前田家に伝来した能装束の一領である。紫絽地に銀糸のみで棒霞と鉄線を織り表した舞衣。舞衣は長絹に似た表着で、通常「楽」を舞う曲目に用いられる。長絹よりも丈が長く、前身頃に衽が付き、脇が縫い塞がれているところが異なっている。
 附属の畳紙には「八/御稽古物/御舞衣/壱つ/御地紫/模様金棒霞ニテッセン/文化五年新出来」とあり、文化5年(1808)に新調されたことが判明する。加賀前田家に伝来した能装束群の畳紙墨書では、文化5年より前の年紀のものが確認されていない。それは同年1月15日に金沢城二の丸御殿が焼失したためで、その際に能道具の多くも失われたであろうことが推定されている。この墨書のうち、「御稽古物」は別筆で記されているが、畳紙と背裏の墨流しの貼札は「貴」の記号で分類される。後世「御稽古物」に格下げされたものであろうか。
 狩野芳崖が明治20年(1887)に加賀前田家の能装束の意匠を模写した「加州家蔵能装束模様」(東京藝術大学蔵)に部分模写図がある。

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キーワード

装束 / / Shibuya / 畳紙

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