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百万塔

ひゃくまんとう

概要

百万塔

ひゃくまんとう

工芸品 / 奈良県

奈良時代 8世紀

木製

高21.2

1基

法隆寺(奈良)伝来

 百万塔は天平宝字8年(764)におこった恵美押勝(えみのおしかつ)(藤原仲麻呂)の乱後の動乱を鎮めるため称徳天皇によって発願され、宝亀元年(770)に完成した100万基の小塔である。当初は大安寺や東大寺など十大寺に10万基づつ安置されたが、現在は法隆寺に伝来した4万数千基が残るにすぎず、それらも多くが寺外に所蔵されている。本品も法隆寺伝来の品。塔身部と相輪部に分解することができ、それぞれ轆轤挽(ろくろび)きし白色顔料が塗布されている。塔身部には3層めの屋蓋の頂上から真下に孔が削り込まれ、その中に陀羅尼経(だらにきょう)を1巻ずつ納め、相輪部の下端を孔に差し込んで蓋としている(ただし本品には陀羅尼経は附属しない)。当館所蔵の3基のうちの1基(番号748)には、底裏に「云二四廿二左和万」と墨書され、神護景雲2年(768)4月23日の制作になるものと推測されている。

奈良国立博物館の名宝─一世紀の軌跡. 奈良国立博物館, 1997, p.285, no.33.

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