戸出野開御印状
といでのびらきごいんじょう
概要
加賀藩重臣の横山長知と本多政重より、中条村(現・砺波市下中条)十村・川合又右衛門に宛てられた書状。新村立て、戸出野開墾、市立てを許可した御印状(3代藩主・利常の印)である。高岡市戸出地区の発祥を示す貴重な史料である。
翌年の元和4年(1618)の「新開地検状」(川合文書)によれば「灯油田(戸出の古い表記)新村又右衛門」とあり、既に16町4反半56歩が開墾されていることからみて、又右衛門が以前から綿密な計画をたてていたことが分かる。
また寛永17年(1640)の記録によると、月6回の市が開かれており、大いに栄えていたようである。
【釈文】
以上
越中利波郡
之内、戸出野に
新村を立、野
開仕、市をも可
相立之旨、申上
通尤候、則新
開之所は御代官
なしに可被
仰付候旨候条、
弥家数をも
相立、可致開
作者也
元和三年
(黒文円印「満」)
十一月朔日
横山山城守
長知(花押)
本多安房守
政重(花押)
中条村
又右衛門