新潟県村尻遺跡出土品
にいがたけんむらじりいせきしゅつどひん
概要
村尻遺跡は新潟県新発田市下寺内(しばたししもじない)に所在した、弥生時代前期~中期の集団墓地と、縄文時代中期末葉・後期中葉~晩期末葉の居住域および墓域からなる遺跡である。。
昭和五十五・五十六年(一九八〇・一九八一年)、ほ場整備事業に先立つ発掘調査で、七×十一メートルの範囲から、弥生時代の再葬墓群が発見された。
本件はこの墓坑群から出土した遺物の一括で、土偶形容器一点、壺形土器十点、鉢形土器一点、深鉢形土器二点、甕形土器一点、ヒトの手の指骨と思われる骨を穿孔した垂飾二点、そして附の石片一点から構成される。
本件で特徴的なのは、土偶形容器の存在である。これはほぼ全形が遺存しているが、もともと頭部と顔面の表現がなく、頸部以下で完結した平縁の容器形で、高さ四十五・三センチメートルを測り、他の遺跡から出土した例と比べて著しく大形である。
弥生時代に東日本で発達した、土器を骨蔵器として利用した再葬墓の様相を示す良好な資料であり、特に、大形かつ特異な人体表現を示す土偶形容器が共伴する明確な事例として、極めて重要な資料であり学術的価値が高い