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海鳥暮景之図

概要

海鳥暮景之図

日本画

村上華岳  (1888-1939)

ムラカミ、カガク

昭和10年/1935

墨画・紙本・軸・1幅

26.7×61.4

右下に落款、印章

37
海鳥暮景之図   一幅

村上華岳

紙本墨画
二六・七×六一・四
昭和十年(一九三五)
東京国立近代美術館


円山四条派の流れを汲み、国画創作協会創立会員として活躍した華岳(一八八八〜一九三九)は、しかし自身の創作の純粋さを守るために、健康の故もあって昭和二年に神戸市花隈に移ってからは画壇との接触をほとんど断って、風景・花々・釈迦・菩薩などをモチーフにした山水画と仏画によってその精神世界を追求した。この晩年の作品は、横長の画面に霞(雲)を流動的に描き出し、その上方に海鳥が舞う、躍動的で、大きな広がりを感じさせる構図になっている。水墨の濃淡のほかに、例えば霞の部分にアルミ泥を用いて幾分のはなやかさを加えることで色彩を感じさせ、かつ華岳に特徴的なあの官能性をも現わしている。霞(雲)と海鳥だけのシンプルな、ある意味では抽象的でさえある絵からは、画家の心と精神が、鑑賞者に直接的に伝わってくるようである。小品ではあるが、その画格は高いものである。昭和三十人年(一九六三)の「村上華岳の芸術」展(国立近代美術館京都分館)で始めて世に紹介された。

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キーワード

華岳 / 村上 / 創作 /

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