見物客 けんぶつきゃく

その他 / 昭和以降 

三岸好太郎 (1903-1934)
みぎし こうたろう
昭和8年頃/1933
コラージュ・紙
縦29.4×横38.5cm
第1回北海道独立美術作家協会展 札幌三越 1933 

見物客
Spectators
1933年
北海道立三岸好太郎美術館蔵[D-52]

三岸好太郎が、コラージュ(貼り合わせ)の手法による制作を手がけたのは、建築家の山脇巌(1898-1987)との交流がきっかけであったという。山脇との出会いは1921~22年頃のことで、三岸と一緒に上京して東京美術学校建築科に学んだ親友俣野第四郎を介してのことであったが、当初は二人の関係はそれほどには深いものではなかったようである。その後、ドイツの造形教育機関バウハウス学んで1932年に帰国した山脇と再会したのは、翌年4月初めのことであった。ヨーロッパの美術・工芸の新潮流や建築にも関心を高めるようになっていた三岸は、山脇を積極的に訪ねるようになる。バウハウスでは素材や構成研究の一環としてコラージュ(貼り合わせ)を積極的に導入しており、山脇巌、道子夫妻との交流を通して三岸も新聞や雑誌の図版や文字等を素材としたコラージュ作品を手がけるようになった。モティーフのナンセンスな取り合わせを楽しみつつ、自由な画面構成を試みている。本作で目をひくのは、画面中央の女の顔から生えた足。それを一人の男がひもで吊り下げている。それを見物する人々も、さまざまな切り抜きの絵や写真が寄せ集められている。こうした組み合わせ、必ずしも強いメッセージ性は感じられず、コラージュという新手法に、三岸が生来の実験精神とユーモア感覚を開放し、心躍らせながら制作した様子が想像される。

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