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松花堂及び書院庭園

しょうかどうおよびしょいんていえん

概要

松花堂及び書院庭園

しょうかどうおよびしょいんていえん

庭園 / 江戸 / 明治 / 近畿 / 京都府

京都府

江戸末〜明治末

京都府八幡市

指定年月日:20141006
管理団体名:

史跡名勝天然記念物

洛南の名所・霊場として名高(なだか)い男山(おとこやま)・石清水八幡宮の南方には,明治初期の廃仏毀釈に伴って石清水八幡宮の泉坊(いずみのぼう)から複数回の移転を経て松花堂及び書院の一部が移築され,それらを中心として明治後半期に作庭された庭園がある。正門から書院玄関前へと通ずる導入部,松花堂の周辺の露地,書院の東に展開する枯(かれ)山水(さんすい),その南に展開する池(ち)泉(せん)・築山(つきやま)など,計4つの部分から成り,それぞれに独特の意匠・構成が見られる。
特に松花堂の露地庭には,江戸時代後期の意匠を移した痕跡が見られ,その南には書院の東に面して平明な枯山水の庭園が広がる。書院東正面の沓(くつ)脱石(ぬぎいし)から庭園へと続く飛び石との結節点には,直径1.7mもの巨大なコンクリート製の円形(えんけい)伽藍(がらん)石(せき)を模した人造石があり,明治末期の作庭の特質を表す景物(けいぶつ)として注目される。書院東庭の南側には,東車(ひがしくるま)塚(づか)古墳の墳丘後円部に手を加えて造作した巨大な築山があり,古代の墳墓を築山として取り込んだ近代庭園の事例として注目される。松花堂及び書院庭園は江戸時代後期の遺風を伝えるとともに,近代に特有の景物の在り方が随所に見られ,その芸術上の価値及び近代日本庭園史における学術上の価値は高い。

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